Windowsのペイントが何かと不便な理由
絵を書くとき、皆さんは何を使いますか?
というのも、以前、欲望を昇華するには? 欲望を昇華するには? の投稿で絵を描いたのですが、さすがにWindows付属のペイントでは何かと不便です。何かとの「何かと」とはたぶんこの次に挙げるあたりではないでしょうか?
線がガタガータになる
はっきりと申し上げたいのは、安マウスで、マウスパットもままならない机環境で、Windows付属のペイントで、極上の線の書き分けができる人はほぼほぼ神の領域に達しています。もはや紙です。
線がまっすぐ引けない理由はいろいろあるのですが、代表な所でいうと、画面を見ながらマウスを動かしていくからかなと思います。
学校で黒板の文字をノートを見ずにノートに書くようなものです。
手元の確認を手元ではなくディスプレイ上で行うため、自分の思っている線のスピード感とペイント上の線のスピード感が合わず、結果、線がガタガタになるのです。
清書→色を塗るのがほぼ一発勝負
レイヤーという概念、機能をご存知かと思います。デジタル絵描きの世界では層分け、簡単にいうと、下書き・清書・色塗りという感じで、1枚の絵の中に描く場所を分けることができる機能です。
これがあることで、下書き時のふわっとした線を清書で整え、色を幾たびも塗っては直し塗っては重ね、ということができるようになるのです。
そんな機能はプロやセミプロが必要としているんでは?と思うかもしれませんが、下手の横好きにこそ輝く機能なのです。なんせ、下書きから清書も何度も直しが効くし、色の微妙なニュアンスも安心して間違えることができるからです。
当然ですが、この機能はペイントにはついてきません。いや将来的についてくるかも知れませんが、ついてきても次の問題があります。
線がつながっていませんので、アウトです
ペイントで色を塗る場合、線がつながっているかがはっきりし過ぎます。なぜかって?筆圧という概念がないからです。アナログで絵を描く、もっといえば、鉛筆、シャーペンで文字を書くときも、筆圧というのは皆さんが感じているとおり、存在するものです。デジタルな世の中になり文字の均等さや色の均一さを簡単に表現できるようになりましたが、絵の世界では、筆圧のような不確定な揺らぎが描き手の表現ともなるのです。
人間の脳はけっこういい加減なので、線がつながってなくても繋がっているように感じるように見えたりするものなのです。が、ペイント上では許されません。はみ出さずに色を塗ればガタツキ、塗りつぶそうとすれば、線がきちんと繋がっているかが問われます。
じゃあパソコンで絵を描いてる人はどうしてんの?
パソコンではなくタブレットで描くという選択
スマホやタブレットが今の形として普及してきたのが、大体2010年くらいのことです。
そこから考えると、とんでもない進化をしています。
そのとんでもない進化のひとつが、ほぼ紙に描くレベルでタブレットで絵が描けることです。
タブレットでデジタル絵を始めるなら断然iPad
iPadがなぜ良いかというと、絵を描くためのデバイスとしてのタブレットをいち早く世界で売り出したからです。つまり、専用のペンやアプリ、絵を描くためのアプリの情報など、いち早く売り出したことで、世界にはiPadのデジタル絵描きのことで溢れているのです。そのぶんトラブルがあっても対処が簡単になります。使い方がわからなくてもネットに載っています。
ほんとうに些細なことですが、詰まったときに情報がたくさんあるということは、助けになりますし、絵を描きたいわけで、ほかの事で気をとられたくないという方はiPadをオススメします。
iPad で絵を描く のデメリット
デメリットはありません、というのは大げさです。順に思いついたものをあげていきます。
サイズ・・・
iPadは2019年現在で、12.9インチが最大サイズです。もし、これ以上のサイズで絵を描きたい場合は、そもそも iPadでは不可能ということになります。
アップルペンシル・・・
iPadで絵を描く場合の必需品がアップルペンシルです。これが無いと、思ったような絵を描くことは難しいのです。そしてこのペンがまあまあ高い。タブレットということで、外への持ち出しを考えている場合は、 iPad はもちろんですが、このアップルペンシルもなくさないように注意したいところです。
アプリ・・・
iPadのアプリは当然アップルのストアに出ているものから選択することになります。パソコンで描く場合との大きな違いは意外とこのことで、パソコンのソフトなら、自分のパソコンにインストールしていれば半永久的に使えますが、アップルのアプリはひょんなことでストアから削除されたり iPad のアップデートで使えなくなったりします。 iPad のお絵かきアプリも同じくストアから削除されたり、アップデートで使えなくなる可能性があります。
データ・・・
iPadで描いた絵をデータとしてパソコンに送りたいとか自分のスマホに送りたい場合、パソコンにくらべると少し不便です。ただし、このあたりは、 iPadのほうが進化していけば、良くなってくるかと思います。
パソコンで絵を描く場合は?
デスクトップか?ノートPCか?問題
大画面?持ち運び?どちらをどう考えるかあなた次第
デスクトップPCの利点をパソコンで絵を描くことを前提にすると、断然、画面の大きさを自分で決められるということです。22インチだろうと32インチだろうと40インチだろうと、自分の好きな大きさに画面を変えられます。性能にもよりますが、画面を2枚3枚と増やすこともできます。
ただし、裏を返せば、大きなデメリットもそれです。備え付けのため、基本的にそのデスクトップが置いてある部屋なり机なりでしか作業ができません。
ノートPCの場合は、買ったままの状態がほぼ続きます。もちろん、外付けでモニターを増やしたりもできますが、画面に傷が入ったとか、キーボードの調子が悪い・・・となっても、基本的には修理する以外は買い替えを迫られます。
ノートPCを選ぶメリットは、持ち運びができるということです。外、で絵を描くかは別として、家の中でも、リビングや自分の部屋、寝室、トイレ等々、場所は選びません。
ただ、一番知ってほしいのは、パソコンで絵を描く場合、パソコン以外に何がいるのか?ということです。
お絵かきソフト
パソコンで絵を描く場合は、お絵かきソフトが必要になります。
有名どころだと、クリップスタジオです。プロも愛用している確かな品質です。単純なお絵かきをしたいならプロをオススメします。使っている人も多いので、ネットですぐに情報が見つかり、何か困ったことがあっても解決策がたくさんあります。
セルシス CLIP STUDIO PAINT PRO HYB/DVD 価格:6,950円 |
もし、漫画も描きたいなら、クリップスタジオのEXが断然オススメです。
ただし、こちらのほうが、プロに比べても値段が高くなります。絵を描くことが続くかどうかわからない場合は、プロの方を買って、漫画を描きたくなったらEXを買うという方法をとるほうが、初期投資は安くなりそうです。
セルシス CLIP STUDIO PAINT EX (クリップ スタジオ ペイント EX) CLIP STUDIO PAINT EX 価格:25,870円 |
ペイントツールSAIも有名です。 https://www.systemax.jp/ja/sai/
こちらも有名な方が多く愛用していますし、本も出ています。
ビギナーでもここまでできる!ペイントツールSAIマスターブック (COSMIC ART GRAPHIC) [ イマジネーション・クリエイティブ ] 価格:2,750円 |
わたしのオススメは断然、クリップスタジオです。なぜか?(EXなら)漫画も描けるからです。
漫画も描けるということは、漫画家も愛用しています。プロが使っているものと同じものを使えると考えれば割安でしょう。しかも、クリプスタジオのプロとSAIの値段はそこまで大きく変わりません。それなら、最初からクリップスタジオに慣れておいて、絵を描き続けそうなら後からEXにアップグレードすればいいのです。
ペンタブレット
絶対必要!とまではいえないのですが、ペンタブレットはあったほうが、確実に便利で絵を描く気にもなります。
ペンタブを選ぶとき、板タブというパッドとペンシルとがついたものと、液タブ(液晶タブレット)というiPadのように画面とペンシルとが付いてるものの2種類があります。
有名どころの板タブはワコムです。どんなに小さいものでもいいので、板タブを買う場合は、ワコムにしましょう。最近は中国の方で生産している板タブもありますが、ペン先やペンタブレットという分野において、ワコムを超える板タブを生産している会社は無いといって過言ではないです。
ワコム ペンタブレット Intuos small ベーシック CTL-4100/K0 ブラック 価格:7,720円 |
ワコム製なので、板タブでも結構な値段になりますが、一度買うと、高いところから落としたみたいな事故でもない限り、5年以上使えます。大事に使えば、本当に壊れるまで使えます。そう考えると、1年間で1000円もしないような金額で使えるわけです。小さい板タブから始めて、絵が上手くなったり、物足りなくなってから、大きいのを買えばいいのです。絵を描く技術を上げている間に、タブレットも進化して、今より安くて機能もよいものがでてくるので、その時に次のタブレットを考えればよいのです。
液タブもやはり、ワコムです。しかしこちらはグンと値段が上がります。
WACOM ワコム DTH-1320/AK0 液タブ(液晶ペンタブレット) Cintiq Pro 13 [13.3型][DTH1320AK0] 価格:86,874円 |
もちろん、プロも使っているようなすばらしい商品です。
ただし、クリップスタジオの紹介のときと違って、値段が本当に高くなるので、本気で絵を描くんだという気持ちを持ち続けられる人にオススメしたいと思います。
PCデジタルで絵を描くことが続くかわからない場合は、液タブより板タブからはじめましょう。